今回の巡礼先は旭川にある北鎮記念館です。
鶴見さん率いる第七師団の本拠地である旭川。
ここに第七師団の歴史を知ることができる「北鎮記念館」なる施設があることを知ったのは、ゴールデンカムイにはまってしばらく経ってからのことでした。
北鎮記念館・・・一体どんなところなんだろう。
気にはなるけど陸軍自衛隊駐屯地の敷地内にあるっていうし、ゴールデンカムイを読むまで「陸軍最強北鎮部隊」のことも「第七師団」のことも知らなかった歴史オンチなオタクが訪れていい場所なのだろうか。
軍の施設と聞き恐れ多くてなかなか勇気が出ませんでしたが、第七師団への熱き想いは募るばかり。
・・・いつか行くなら今行こう!
というわけで、行ってきました北鎮記念館。
以下に北鎮記念館の見どころなどをご紹介いたしますが、いちゴールデンカムイファンの主観によるものなので、内容は大変偏っております。
また、これは私が行った時(2023年2月)の状況で、今はコロナによる制限も解除され、色々と変わっているところもあるかと思います。
後半には北鎮記念館の向かいにある護国神社のご紹介をしています。
今回(も)めちゃくちゃ長いです。
諸々ご了承の上、お時間と心に余裕のある方はよろしければお進みください。
- 北鎮記念館へのアクセス
- 北鎮記念館について
- 館内案内について
- 1階ゴールデンカムイコーナー
- 展示物について
- 北鎮記念館見学の所要時間
- 売店&お土産について
- 聖地巡礼 北海道護国神社編
- ゴールデンカムイ聖地巡礼へのリンク
北鎮記念館へのアクセス
北鎮記念館は旭川駐屯地に隣接しており、公式ホームページによると旭川駅からバスで15分+徒歩5分となっています。
バスの本数はそこそこあったのですが、ちょっと待たないと乗れなかったのと、この日は雪が結構降っていたので時短も兼ねてタクシーを使うことにしました。
タクシーだと駅から約10分、料金は1,500円くらいでした。
2月の旭川は、駅周辺であっても道路にも歩道にもばっちり雪が積もっていてアスファルトが見えているところはほぼありません。
雪の時期に聖地巡礼される場合は、車でも徒歩でも雪道対策をお忘れなくお出かけください。
北鎮記念館について
北鎮記念館に到着。
旭川空港で入手したARの鶴見さんにようこそしてもらいました。
看板にも大きく記されていますが、入館料はまさかの無料。
開館時間は4月~10月と11月~3月で異なり、休館日は基本的には月曜ですが月曜が休日の場合は翌日となります。
外にも展示物があると聞いていましたが、ご覧の通り雪深い日だったので見学はあきらめました。残念。
館内に入るとすぐ右手に売店があります。
ここでは常駐している鶴見さんがお出迎えしてくれました。
売店内は撮影不可とのことなのでぼんやりさせましたが、売店すごいです。
後述します。
手荷物が多い場合は備え付けのロッカーを借りることができます(無料)。
ロッカーといってもコインロッカーではなく、学校とか会社にありそうなグレーの細長いロッカー。
上下二段に分割されているので大きな荷物は入りませんが、ゆっくり展示を見たり写真を撮ったりするために、私はコートやカバンを入れさせていただきました。
建物は2階建てで、メインの展示物は2階にあります。
詳しい施設の紹介やイベントなどのお知らせ、開館時間や休館日については下記の公式ホームページに記載がありますので巡礼に行かれる前にぜひご確認ください。
https://www.mod.go.jp/gsdf/nae/2d/hokutin2/top.html
このホームページ、レイアウトとかフォントとかなんだかすごく懐かしい感じがします。
こうやって上下にフレーム作ってリンク貼るの、私も昔自分のサイトでやってたんですけどすぐリンク切れちゃうんですよね。
きっとフレームあるあるなんでしょう・・・。
館内案内について
入館するとコロナ対策か名前と連絡先を書くよう促されます。
軍の施設だから過去の犯罪歴とか調べられるのかな?などと後ろ暗い過去はないにもかかわらずちょっと緊張しながら書いていると、係の方が恐る恐るといった様子で「今日はゴールデンカムイの・・・アレですか?」と小声で聞いてきました。
そんな「レバ刺あるよ」(あくまで例え)みたいな口調で言わんでも・・・と思いましたが、私も相手がゴールデンカムイファンか探りを入れる時こういうテンションになるのでお気持ちはわかります。
努めて明るく「ゴールデンカムイが好きで来ました」と答えると、ほっとした表情で「そうですか!では自衛官の説明を受けられますか?」と聞かれたのでぜひにとお願いいたしました。
館内案内についてはどういう手順で申し込んだらよいかわからなかったので、先方から声をかけていただけてありがたかったです。
行ってみてやっと理解できた館内案内の詳細は以下の通りです。
・館内案内は(も)無料
・入り口横のカウンターにて受付
・事前予約は不要だが混んでる時期や巡礼のスケジュールがタイトな場合はした方がいいかも
・所要時間は30分~60分と臨機応変に対応可
・開始時間は決まっているけど実施回数は多め
・人数制限は・・・混んでる時期はあるかもしれない
・数名の広報担当の方が数名待機し交代で案内をしている(らしい)
・展示物の写真を撮ったりSNSに上げたりするのはOKだけど、他の来館者や案内してくれる自衛官の写真を上げるのはNG
(みみずく調べ)
私が行った時はこのようなスケジュールで案内が行われておりました。
この日は平日だったこともあり来館者は少ない方だったと思います。
滞在中(約3時間)に出会った見学者はおそらく4~5組。
それでもこのように小刻みに館内案内を実施していたのは、ここを訪れる方のほとんどが案内を希望されるからだと思います。
いつ誰に聞いても同じ説明が受けられるように、館内案内には台本があるようでした。
この案内は、公式ホームページに貼ってあるYouTubeで聞く(見る)ことができます。
上記のチャンネル内には色々な動画が上がっているので探しにくいかもしれません。
館内の展示物の映像を見ながら案内が聞けるのは「バーチャルツアー」です。
ダイジェスト版となる初回の動画を貼っておきますね。
「02」からが現地で聞ける案内となります。
この動画はシリーズ化されていて、2023年7月現在、「11」まで配信されています。
第七師団設立から順を追って紹介されていて、「10」が日露戦争の単元(?)になります。
動画があるなら現地に行かなくてもいいじゃん!
と思われる方がいらっしゃるかもしれません。
しかし「01」の動画をご覧いただけばわかる通り、映し出された館内に杉元の姿が写り込んでいたり、サイン色紙が「見逃し厳禁!」と恭しく紹介されてはいても、「ゴールデンカムイ」というワードは出てきません。
広報のためとはいえ、さすがに軍が特定の作品を前面に押し出して紹介するのはアレなのでしょう。
案内が始まる時に、担当して下さる自衛隊の方に「ゴールデンカムイは読んでいますか」と改めて聞かれました。
ここでゴールデンカムイが好きで来たと言うと、上記の内容にゴールデンカムイファンが知りたい情報をプラスした案内を受けることができます。
ざっくりとしたゴールデンカムイファン用の台本もありそうでしたが、どの程度踏み込んだ話をするかは来館者のガチ度に合わせて担当の方がその場で判断しているように感じました。
私に案内をして下さった方は、さすが自衛官、戦場での登場人物の言動について、歴史的、軍事的知識に基づく考察をしておられました。
あくまで個人的な見解ですと言われたのでその部分については記載しませんが、新たな視点からのディープな話が聞けてとても興味深かったです。
あと私は男性のゴールデンカムイファンの方のご意見を伺うのが初めてだったので、それもとても新鮮でした。
そういう配信にはのらない情報が聞けるのも聖地巡礼の醍醐味ですね。
ここを訪れる方の9割はゴールデンカムイファンだそうです。
一般の方に話したら確実に引かれるようなことも、ここでは話して全然OK!
ぜひ遠慮せずご自身のゴールデンカムイ愛を伝えてください。
そして完全に受け身のYouTubeとは違い、現地ではその場で質問をすることができます。
事前にさらっとこの動画を見ておいて、疑問や質問は現地で聞く、というのもいいと思います。
私は予習なしで行ってしまいましたが、上等兵と一等卒ではどのように待遇が違うのかとか、軍での生活や食事、訓練の様子や装備の支給、お給料事情など聞けば良かったな、と帰ってきてから思いました。
ゴールデンカムイネタについては案内される方の年齢によっても違う見解が聞けそうなので、何度訪れても新しい気付きがあるのではないかと思います。
1階ゴールデンカムイコーナー
案内がはじまるまで少し時間があったので、先に1階にあるゴールデンカムイコーナーを見学することにいたしました。
めちゃくちゃ充実してました。
ゴールデンカムイ衣装一式と銃。
ちゃんと軍帽もあります。
私が行った時はまだこれらの衣装の貸し出しを再開していなかったので、コスプレ写真を撮ることはできませんでした。
私はインドア人間なのでコロナのせいで不利益を被ったと感じたことはあまりないんですが、この時ばかりは「ぐぬぬコロナめ・・・!」と思いましたね。
野田先生のサイン入り色紙と、アニメ第四期放送直前の同時視聴会で月島役の竹本さんが話しておられたご自身の色紙。
「月島役をやってます」と自分から正体を明かしてサインを置いてきたのか、ぜひ書いてくださいと求められて書いたのか。
鯉登さん役の小西さんと話しているくだり、めちゃくちゃおもしろかったです。
躊躇していた北鎮記念館の聖地巡礼に行こうと決めたのは、実はここでお話に出ていた竹本さんの色紙をこの目で見てみたいと思ったからです。
すでに己の中にあるもので月島を表現することはできそうなのに、それに甘んじることなく月島ゆかりの地を自ら訪れているという竹本さん。
月島を演じるためなのか、竹本さん自身が月島という男を知りたいからか。
顎関節症であごがあんまり開かなくなっちゃった友人が、「普段開けてるくらいは開くんだけど、それしか開かない範囲で開けるのと、もっと開くけど開けないのとは全然違う」と言っていました。
これが良い例えかどうかはわかりませんが、竹本さんはこの「開けないけど開けようと思えば開けられる」範囲を広げようとして聖地巡礼をされているのかな、と思いました。
月島が人気なのは原作の月島が魅力的なキャラだからというのは間違いないですが、アニメの月島が月島なのは、竹本さんのお力も大きい気がします。
これはゴールデンカムイの声優のみなさんに言えることですが、今回竹本さんの想いと努力が形になった色紙を見て、「竹本さんが月島で良かった」と心から思いました。
あの同時視聴会のアーカイブは常に見れるようにしていただけたら嬉しいですね。
1階には他にも特別展示や書籍コーナーがあります。
もちろんゴールデンカムイの原作も。
全巻揃ってるので、現物を見た後で作中に出てくるあれやこれやを確認することができます。
第七師団の年表が記された大きなパネルもありましたが、これは写真を載せても細かくて見えないので、ぜひYouTubeでご確認ください。
展示物について
前置きが長くなりましたが、案内開始の時間になったのでいよいよ展示物の見学スタートです。
基本的には2階の案内がメインになりますが、まずは1階にあるこちらの資料。
この記念館ができたきっかけのひとつとなった「師団歴史」。
焼却を命じられた司令部副官部書記だった黒川幸雄氏が、「こんな大切な記録を後世に残さないわけにはいかん」とこっそり畑に埋め、たまに掘り出しては手入れをして大切に保管していたという機密文書。
・・・こんなヤバイものよく隠そうと思いましたよね。
でもこれがなければ鶴見さんも第七師団もゴールデンカムイに登場しなかったかもしれないし、なんならゴールデンカムイが全然違うお話になっていた可能性もある。
ありがとう、黒川氏!
それにしても、これ世に出すタイミング間違ったらえらいことでしたね。
こんなんあるんですけど・・・と公の場に出した時周りはどんな反応だったかお聞きしたところ、罰せられるどころか「よくぞ残しておいてくれた」と感謝されたとのことでした。
いや~本当に良かった!
ちなみにここでは開かれたこのページしか見ることができませんが、本の中身は全て電子化されていて旭川図書館で閲覧することができるそうです。
これ、もしかしたら野田先生はご覧になったかもしれないですね。
2階には旭川の歴史が屯田兵による開拓から近代まで時系列に展示物と共に紹介されています。
網走でも北海道開拓が急務ということで囚人が道路作りに駆り出されていましたが、この時代はとにかくロシアから北海道を守るってのが最重要課題だったことがよくわかりました。
そういえば賢吉を追って北海道に渡った谷垣も屯田兵でした。
(第8巻第75話「阿仁根っ子」)
第10巻第97話「旭川第七師団潜入大作戦!!」に登場する第七師団衛戍地のジオラマ。
白石の引き渡しが行われたのは右上にある「師団司令部」。
鯉登さんにニセモノだと見破られ杉元たちが逃げる時に尾形に「南へ逃げろ!」と言われて向かったのが矢印の方向とすると、この広いところで気球の試運転をしていたと思われます。
ここに気球がなかったら、この敷地から無事逃げおおせるのはちょっと難しかったのではないでしょうか。
白石が「杉元が助けようと言った」と聞いて嬉しそうにしてましたが、それは白石がこの救出がいかに危険を伴うものかわかっていたからかもしれません。
旭川に4つあるという歩兵連隊は25~28の4聯隊。
原作に白石を捕らえた歩兵27聯隊の場所を指し示す地図が出てきますが、このジオラマでいうと中央上部の囲ったところ。
元第七師団だったキロランケは工兵だったとのことなので、おそらくいたのは右下のエリア。
鶴見さんや尾形の所属する27聯隊とはずいぶん離れています。
同じ師団とはいえ、キロランケが鶴見さんを知らなかったのも納得ですね。
第七師団、めちゃくちゃ大所帯。
何度見ても笑えるこのシーン。
(第10巻第97話「旭川第七師団潜入大作戦!!」)
原作では光ってよく見えませんが、壁にかかっている肖像画の正体は初代第七師団長の永山武四郎氏ではないかと思われます。
ちょこっとしか出てこないのに強烈なインパクトを残した有坂閣下の作った二十八サンチの模型もありました。
(第10巻第94話「機能美」)
原作を読んでいてもアニメの有坂閣下の声が聞こえます。
白襷隊。
(第8巻第75話「阿仁根っ子」)
(第8巻第76話「カネ餅」)
同時視聴会第2弾で、菊田さん役の堀内さんがおっしゃっていた「こういう戦いを生き抜いてきたから登場人物の言動や苦悩に説得力がうまれる」という言葉が思い出されました。
網走の北方民族博物館でも見たスキー。
アザラシの毛を貼ったらいいんじゃない?って思いついた人、すごいアイディアマン。
スキーで谷垣たちが山を滑り降りてくるシーン、みんなあんまり上手なので最初読んだ時フィクションなのかなって思ったんですが、旭川空港にスキーの伝道師レリヒさんの像があったのを見て第七師団の面々がスキー上級者なことに納得しました。(「聖地巡礼大雪山編」参照)
現在自衛隊で使用しているスキー板はこんな感じ。
アザラシの毛皮の代わりにウロコ状の溝があります。
今は刺青人皮を持って逃げる男を追いかけることはないけれど、旭岳などの雪山での遭難の救出活動は重要な任務のひとつとのこと。
スキーは北海道の自衛隊ではマストの技術で、普段は北海道内のスキー場で迷彩服を着て訓練し、他にも荷物を引いてスキーの速さを競うレースなんかも定期的に行われているそうです。
ヘリコプターやスノーモービルがあるのに今でもスキーって使うのかな?と思いましたが、そういうものは乗れる人数が限られるし、捜索というのは基本的に人海戦術で行わないと見つからないらしい。
スキーを履いて道なき雪山を歩き回って探すのには、きっと相当な体力と精神力が必要とされることでしょう。
時には命がけになる任務、志が高くないとできないですね・・・。
スキーに付いてる靴を留める金具、めっちゃシンプルだけどこんなんで大丈夫なのかなと思ったら、蹴ることで平地でも進めるように、あえてかかとを板に固定してない構造にしているんですって。
確認してみたらヴァシリたちもこういうスキー履いてました。
(第16巻第160話「国境」)
ちなみに今も軍では靴は履きかえず、普通の靴にスキーを装着するそうです。
尾形や宇佐美の上等兵の服装。
このレッグウォーマーみたいなやつ、脚絆(きゃはん)っていうんですね。
これには、ズボンのすそがひらひらして何かにからまったりするのを防いだり、足首や足の甲のケガ防止、足のうっ血を防いで疲労を軽減する、なんて目的があったらしいのですが、私は杉元や谷垣のみたいに布を巻いたものしか見たことがありませんでした。
このレッグウォーマータイプは尾形とか月島、宇佐美が履いていたから、もしかして階級で区別されていたのかもしれません。
こっちの方が高そうですもんね。
写真の脚絆はともかく、尾形のやつは上の方こそベルトで留まってるけど、ふくらはぎあたりはたるーんてなってるから歩いてるうちにずり落ちないかいつも気になってたんですよね。
ほら、ずり落ちてくるハイソックスってすごくキモチワルイじゃないですか。
上のベルトをめちゃくちゃきつく締めたとしても、ふくらはぎはあんなに無防備で本当にうっ血防止になったのかしら。
そこらへん質問してみれば良かったなぁ。
尾形の手帳がありますよーって教えてもらったのがこれ。
隣の手帳は素材が布で☆は印刷なのに、尾形さんのは皮っぽいものに☆が刺繍されているように見えます。
尾形さん、ちょっと位が高い人だったのかもしれません。
展示されている物や写真にはゴールデンカムイの登場人物と同じ名前の方が結構いました。
鯉登さんもそうだし、他にも宇佐美さんや勇作さんなど。
ここにあるお名前から野田先生がインスピレーションを得たのかもしれないけど、百之助とか音之進とか、野田先生の付けた名前はやっぱり素敵ですよね。
第一巻で杉元が上官を半殺しにしなければ「武功抜群」でもらえたはずだったのが、一番左の緑のリボンの「功七級金鵄勲章」。
結構立派じゃないですか?
原作には出てこないけど、これ、ゴールデンカムイファンにとっては見どころのひとつではないかと思います。
それにしても、気に入らない上官って、杉元に一体何をしたんでしょうね・・・。
いざという時はヒグマよけにもなった弾薬帯。
私、この蓋は手前側(体側)に開くんだと思ってたんです。
でもそれだと弾が取り出しにくいですし、蓋も閉まりやすいので外側に開く方が断然良い。
もちろん原作を見直したらそうなってましたが、実物を見なかったら気付きませんでした。
120発分ってことはひと箱40発。
確か弾は5連だから、仕切られた1室に4列入るってことですね。
こんなの腰に巻いてたらなにかの拍子にバーンってなりそう。
・・・なっちゃった人いたかもしれない。
尾形の三八式。
1階にあったレプリカとは明らかに違う重厚感。
ベルトは思ったよりしっかりしていたし、銃にがっつり取り付けられていました。
こんなに長くて重そうなもの、ずーっと担いで持って歩くの大変だったでしょうね。
昔のことだから「それも訓練だ!」とか言われてたんだろうなぁ。
杉元が武器としてだけでなくチタタプにも使っていた銃剣。
意外と長い。
刃の部分が思った以上に分厚く、杉元が「基本的には刺す用だ」と言っていたことを思い出しました。
これは確かに研がないと刃物としては使えなさそう。
杉元はいつも腰にぶら下げてましたが、これは気をつけて座らないと大惨事になるやつですね。
それにしても銃の先に刃物を装着するってすごい発想です。
銃って弾がなくなったら鈍器としてしか使えなくなるけど、それに刃を着ければ槍みたいにも使える。
白兵戦を想定した工夫だったということでしょうか。
でもこういうのって結合部分がちょっとでもグラグラするとすごく使いづらいし、モンスターの回みたいに戦ってる途中で外れちゃったりしたら命にかかわります。
日本の武器は質がいいって武器商人のトーマスさんが評価していましたが、きっと日本の職人さんはこういうところもきちっと仕上げていたんじゃないかなと思います。
尾形愛用?の双眼鏡。
ちゃんとケースも付いています。
カメラもそうですけど、レンズ割れたら使い物にならないのでケース大事。
月島、鶴見さん、鯉登さん。
鶴見さんの来ている肋骨服、やっぱり素敵です。
私は特に袖の刺繍がおしゃれだと思ってたので、何かモチーフがあるのか聞いてみたのですが、当時仲の良かったフランスの軍服をまねて作ったということしかわからないとのことでした。
色は決して派手ではないけど、えらくなればなるほど袖の刺繍の本数が増えるなんて、益々おしゃれではありませんか。
途中で鯉登さんと同じデザインの軍服に変わったのにもかかわらず鶴見さんは頑なにこの肋骨服を着ていました。
キャラデザの観点から鯉登さんとは違う服を着せていた可能性もありますが、鶴見さん自身が「こっちの方がいい」って言ったのかもしれません。
展示されている肋骨服を着ていたのは鶴見数馬さん。
「数馬」というのもいいお名前ですね。
月島の軍服。
昔の人って本当に小柄。肩幅が狭いです。
触ったりはできなかったんであくまで素人による見た目判断ですが、剣道とか柔道の綿道着に近い感じがしました。
夏は暑くて冬は寒く、丈夫だけど濡れたら重くなる、ずっと着てたら肩が凝りそうな素材でした。
これはもう鯉登さんですね。
白い手袋してるのがいい!
衿の赤との対比が鮮やかです。
このサーベルについてる紐、剣緒というらしいんですけど階級によって違うみたい。
洒落てるなーって思ったら、装飾要素もあったそうです。
思った以上に種類がありました。
一番右は月島が着ていたコートですね。
茶色いブーツも月島に似合いそう。
フードがついているの、かわいいから野田先生デザインなのかと思ってたら実在してました。
カチッとした軍服の上にちょっとラフなテイストがプラスされていいですよね。
菊田さんもこれ着てたけど、とてもお似合いでした。
樺太で杉元や谷垣が着ていた防寒具もありました。
手袋、あったかそうですがよくみるとちょっと工夫がしてあります。
親指が2本?
ではなくて、引き金を引く人差し指用。
あくまでも戦闘用の手袋ってことですね・・・。
杉元が房太郎に殴られたスコップもありました(妄想)。
あれ不意打ちもいいとこでしたよね。
首がもきってなってて、本当に痛そうでした。
北鎮記念館見学の所要時間
館内案内は約1時間かかる(急ぐ場合は説明を端折って時短してもらうこともできます)ので、案内を聞いた後復習したり1階の展示物やゴールデンカムイコーナーを見たり売店に行ったりすることを考えると、2時間程度はみておきたいかなと思います。
私は下記の流れで約3時間滞在しました。
①ゴールデンカムイコーナーをチェックする
②1階の展示物を見る
③館内案内を聞く
④③で説明してもらった2階の展示物の復習をしたり写真を撮ったりする
⑤売店でお土産を見る&購入
今回は館内案内に待ち時間があったので①と②を先に堪能しましたが、今思うとここは⑤の売店に行った方が良かった。
入館してすぐ館内案内がスタートするという場合も、終了後は①に行くのではなく⑤の売店に行ってほしい。
「いやいやせっかくきたんだからまずはゴールデンカムイコーナーをチェックしないと」とか「売店って普通帰りに寄るもんでしょ?荷物にもなるし」というご意見、ごもっともです。
私もそう思って最後に売店に行ったんですけど、売店には「帰るまでの時間」を十分残した状態で行くことを強くオススメしたいと思います。
売店&お土産について
先述した通り、北鎮記念館入ってすぐの右手には売店(お土産売り場)があります。
売っているものは陸軍の広報施設というだけあって、迷彩柄のものが多いです。
こういうものに興味のある方は、きっと心躍るお土産を買うことができるでしょう。
店内の写真撮影はNGだったので売場の商品を画像でご紹介することはできませんが、もちろんゴールデンカムイ関連のお土産も多数取り扱いがありました(月寒あんぱんとか)。
しかし注目すべきはここでしか手に入らないお土産です。
例えばこれ。
靴手入れ袋。
ワッペンは別売り。
私は杉元の「一等卒」にしましたが、他にも「中尉」「少尉」「鬼軍曹」なんてのもありました。
店内にはミシンがあり、刺繍は1文字100円で好きな文字をその場で入れてもらえます。
文字は例えば「杉元佐一」みたいなのは著作権的にダメだけど、↑みたいに「第七師団」「27聯隊」とか「山猫」なんかはOK。
ちなみにワッペンを買うと、持参したご自身のカバンとかポーチにも縫い付けてもらえます。
これねー、私のように裁縫ができない人間には本当にありがたいサービスです。
ぜひお気に入りの一品を持参して、自分好みのゴールデンカムイグッズにカスタマイズしてもらってください!
そしてもうひとつ、ぬいサイズの軍服と軍帽。
当時私はぬいを持っていなかったので購入しませんでしたが、これがとにかくすごかった。
店員さん手作りの、多分ここでしか買えない超激レア商品。
サイズ感、デザイン、布地選びから縫製まで、試行錯誤が繰り返されたであろう完成度の高さで、作るのにも相当な手間と時間がかかっていると思います。
これは商売目的では決して到達できない領域です。
あふれ出るゴールデンカムイ愛を形にしてみんなと分かち合いたい。
そんな尊い精神が全てのものから感じられました。
これらはくまさんのぬいぐるみに着せてありましたが、手持ちのぬいを預けると、今着ている洋服を脱がして軍服を着せてくれます。
しかも脱がした時点でふんどしを履かせ、写真を撮らせてくれるとのこと。
わかる人にはわかる粋な計らい。
レジ横には軍服を着た鯉登さんのフォゼが置いてあって、これもとってもかわいかったです。
店員さんの手際はめちゃめちゃよく、私のワッペンもちゃちゃっとつけてくださいましたが、混んでいたり、お着がえをお願いするとなるとやはりそれなりに時間がかかると思います。
混み具合によってはぬいを預けて後日郵送、なんてこともあるかもしれませんが、基本的にはお着がえしたぬいと一緒に帰れるようです。
売店には他にもたくさんのお宝がありますので、見る時間も掘り出す時間もなく帰らなくてはいけない、となるのはもったいない!
聖地巡礼のスケジュールはとかくタイトになりがちなので、先に商品の確認をし、気に入ったものがあれば見学している時間をお着がえタイム等に充てていただくというのも一案かと思います。
もちろん時間に余裕がある場合は、最後に売店でも全く問題ありません。
売店の店員さんはとても素敵な方でしたので、縫い付けやお着がえをしている間、ゴールデンカムイ愛を語り合ったりしたらきっと楽しい時間が過ごせると思います。
北鎮記念館という聖地の中にある、売店という名の聖地。
ぜひ時間と軍資金(これも大事)に余裕がある状態で、巡礼をお楽しみください!
館内案内で教えていただいたすずらん灯を帰りに確認。
ゴールデンカムイって知識を深めてから読むと新たな発見があるから何度読んでも楽しいんですよね。
最後まで充実した北鎮記念館聖地巡礼となりました。
聖地巡礼 北海道護国神社編
ロシアとの国境標石のレプリカがある護国神社は北鎮記念館の目の前にあります。
とても近いので北鎮記念館を巡礼された際にはぜひ忘れずにお立ち寄りいただきたいと思います。
ぬいのお着がえ待ちの時間に行くのもオススメです。
北鎮記念館を出てすぐ見えるのがこの入口。
これなら方向音痴の私でも迷うはずがありません。
少し先の信号を渡り、この鳥居をくぐって護国神社に足を踏み入れたのですが、雪で視界が悪い上に思った以上に広くどこに国境標石があるのか全くわかりませんでした。
とりあえず左手にあった本堂の方に向かってみましたが、それらしいものは見当たらず。
というか雪に埋もれて何にも見えない。
お参りをし、あたりを見回してみましたが、雪かきしてあるところ以外は50センチ以上雪が積もっていて足を踏み入れることもままならない。
誰かに聞こうにも左右の建物の扉は閉まっていて人の気配ゼロ。
まさか境内で迷子になるとは思わず、「行けばわかるでしょ」と標石の場所を確認せずに来たことを後悔しましたが、ここまで来てあきらめるわけにはいきません。
こんなに大きな神社なのだから社務所か授与所はあるだろうし、せっかくだから御朱印もいただきたい。
雪の中、道なき道をさすらうこと15分、ようやく社務所っぽい建物を発見。
こんな時期に参拝する人はいないのか、雪だらけの私を見て怪訝な顔をされましたが、「樺太との国境標石のレプリカがあると聞いたのですが・・・」と尋ねると、場所を教えてくれました。
ようやくたどり着いた目的の場所。
雪に埋もれとる・・・。
裏側も見ようと数歩足を踏み入れてみましたが、雪が深すぎて断念。
せっかく来たのに残念でしたが、実際の国境標石もこんな風に雪に埋もれていた可能性は高い。
当時のリアルな姿が見れたのだと前向きに考え、次回は雪のない時期にリベンジすることを誓いました。
雪がなければすぐに見つかると思いますが、標石のある場所を記しておきます。
私が入った鳥居はメインではなかったようで、大通りにある大きな交差点に面した入り口にはさらに立派な鳥居がありました。
ここから入り、少し進むと左手に国境標石があります。
正面に見えているのが本殿への入口。
私はこの鳥居の左手から入って本殿に向かったので、全然反対の方向に行ってしまったということですね。
方向音痴あるある。
いただいてきた御朱印。
ゴージャスなのは確かお正月バージョン・・・だったと思います。
とにかく雪がすごかったので、濡れずに持って帰ってこれて本当に良かったです。
大変長くなりましたが北鎮記念館&護国神社聖地巡礼は以上です。
北鎮記念館は、私がこれまで行った中で一番ゴールデンカムイの世界を肌で感じられる聖地だった気がします。
私と同じく軍の施設と聞いてなんとなく敷居が高いなぁと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしそんな心配はご無用です。
きっかけはゴールデンカムイだったとしても、そこから歴史について気付きを得るもよし、自衛隊の役割について考えるもよし、そんな懐の深さを感じさせるオタクに優しい施設でした。
自分の好きな漫画が国に認められたような気持ちになれたのも、個人的にはすごく嬉しかったです。(自己肯定力の高すぎる感想!)
今はコスプレもできるようになったみたいだし、他の方の館内案内も聞いてみたいし、いつの間にか増えた手持ちのぬいのお着がえもお願いしたい。
北鎮記念館、雪のない時期にまた訪れたいと思います!
ゴールデンカムイ聖地巡礼へのリンク
函館① 五稜郭編
函館② 北方民族資料館&大沼だんご編
網走① 網走監獄編
網走② 北方民族博物館&オホーツク流氷館編
登別温泉 登別クマ牧場編
札幌 北海道開拓の村編
番外編 アイスホッケー試合観戦編