今回の巡礼先は網走にある「北海道立北方民族博物館」です。
結論から言うと、ここ、めちゃくちゃ聖地でした。
見所満載すぎて長くなっちゃった上に、後半にご紹介するオホーツク流氷館では色々脱線してます。
お時間に余裕のある方はどうぞお進みください。
網走の聖地「北海道立北方民族博物館」について
「網走と言えば網走監獄」。
このイメージが強すぎて、正直網走に他の聖地があるとは思っていませんでした。
そんな過去の自分に教えてあげたい。
「北方民族博物館」、超オススメ!!
樺太アイヌやウイルタ、ニヴフといった北海道より北に住む民族の生活を垣間見ることができるこの博物館、特に樺太編が好きという方にはきっとご満足いただけると思います。
「北海道立北方民族博物館」と「函館市北方民族資料館」
ここで確認しておきたいのが、函館にある「函館市北方民族資料館」とは別の施設だということです。
名前がとっても似ているので、私は検索する時いつもどっちだったかわからなくなってました。
そもそも博物館と資料館って何が違うの?と疑問に思い調べてみました。
博物館・・・「こういう博物館にしよう」というコンセプトに沿って資料を集め、保管や展示をする。
資料館・・・最初に資料ありき。保存・保管してるけど良かったら見る?
ざっくりいうとこんな感じ。
でも実際は名乗ったもん勝ちみたいですね。
(個人の理解なので間違ってたらすみません。)
今回訪れた「北方民族博物館」は、文字通り「北方民族の生活や文化を知り、理解を深めることができる資料」が大変わかりやすく、かつ大量に展示されている博物館でした。
北方民族博物館巡礼
思った以上にスタイリッシュでおしゃれな建物の北方民族博物館。
入口にお金の戻ってくるタイプのロッカーがあり、荷物を預けることができます。
ロッカーに入らないサイズの荷物を持っている場合は受付で預かっていただけます。
ありがたい。
入館料は大人は550円ですが、ホテルなどに置いてある割引券を使うと50円引きになります。
オススメ!音声ガイド(イヤホンご持参ください)
私は博物館や美術館に行った時は音声ガイドを借りることにしています。
今回も受付でその旨申し出たのですが、入口にあるからご自由にご利用くださいとのこと。
どういうことかなと入口に行ってみると、なななんと、掲示してあるQRコードを読み込むと、自分の携帯で音声ガイドが聞けるというではありませんか!
え、今ってそんなに進化しちゃってるの・・・?
確かにヘッドホン使いまわしはこのコロナ禍では敬遠する人がいるかもしれない。
だからかどうかはわかりませんが、とにかく便利で素敵なシステムです。
しかもこれが無料で利用できるというのだから、さすが道立の施設。太っ腹!
携帯電話をお持ちの方はどなたでもご利用可能なこの音声ガイド、ひとつ注意点があるとすればイヤホンが必要だということでしょうか。
私は普段イヤホンを持ち歩かないのですが、旅行中ということもありたまたま手元にありました。奇跡。
携帯電話を持ってないけど説明は聞きたい、というお子さんや同伴者がいる場合は、左右ばらせるワイヤレスのイヤホンだと使い勝手が良いかと思います。
北方民族博物館にお出かけの際は、イヤホン、ぜひ忘れずにお持ちください!!
北方民族とその居住地
こうやってみると、一口に「北方民族」といっても本当にたくさんの民族がいるんですね。
全然知らなかったです。
インディアンとかイヌイトとか、昔教科書で習った民族の文化もたくさん展示されていましたが、今回は聖地巡礼なので、ゴールデンカムイに登場する
①アイヌ
⑧ウイルタ
㉕ニヴフ
を中心にご紹介したいと思います。
衣服
衣服のエリアには民族のカラーが色濃くでた展示物が多くあります。
しょっぱなからテンション上がりまくり。
先のマップで民族ごとに色分けされていましたが、その色が説明の書かれたカード左上に記されています。
アシㇼパさんのニンカリ(耳飾り)や中川先生の本の表紙で描かれたタマサイ(首飾り)には青の印がついているので、北海道アイヌのものだ、と一目でわかります。
アシリパさんのニンカリ、後半このデザインになってますがお母さんの形見だそうですね。
ウイルクがサハリンから持ってきたのかな?
エノノカちゃんカラーの前掛けだな、と思いましたが、これはニヴフのものでした。
ウイルタの服と帽子。
アザラシの皮製。あったかそう!
手袋はトナカイの皮製。
甲の刺繍がちょっと違いますが、尾形こんな手袋してましたね。
ウイルタの男性用スカート。
防寒用に、ズボンの上からはくものだそうです。
かわいいから機会があったら誰かに着せてみたい。
アイヌ男性の衣装。
キロランケの着ていた服に似てますが、羽織や装飾品がプラスされてさらに豪華な印象です。
谷垣とかマカナックルさんの着ていたアットゥシと比べると、ずいぶんとカラフルなんでびっくりしました。
後ろからみると羽織が戦国武将のよう。
背中の柄が徳川家の家紋みたいだからかな?
このアイヌの服もなかなか素敵な色合いです。
杉元が着るならこっちの服の方が似合うかも。
博物館には展示物だけでなく、こうやって映像で見れる資料もあります。
犬に食べられちゃうという魚の皮でできた靴。
鱗がリアルで、「ザ・魚」でした。
炙って食べたらおいしそう。
住居
エノノカちゃんたちが夏と冬で住まいを変えると言ってましたが、それが一覧になってました。
チセの間取。
玄関が広いです。
ウイルタの住居。
冬の移動用のテントは原作に出てきましたね。
トナカイ飼育だけでなく漁労にも対応可能だなんて、ウイルタってオールマイティ。
他の民族の住居も見ましたが、どれもとにかく寒さ対策最優先。
本当に色々な工夫がされていました。
オホーツク文化
ナイフって書いてありますけどマキリでしょうか。
男性用のもののようです。
下にあるのはウイルタのナイフ。
トナカイが描かれていて、彼らにとってトナカイがとても身近な動物だということがわかります。
ウイルタのトナカイ、素朴でかわいいですが、こうやって並べてみるとアイヌのマキリの細工、めちゃくちゃ繊細!!
ムックリ種類がたくさんありました。
買って練習してみたんですけど、全然うまく鳴りません。
谷垣が弾いてたトンコリは左のかな?
中川先生のご本の表紙でおなじみのイクパスイ色々。
北海道アイヌのござ。
ござだから無地でもいいんじゃないかと思うのですが、こうやって柄がつけられているあたりに、アイヌの方の美意識の高さが窺えます。
他にもあったんですが違う柄でした。
作る人のセンスが光りますね。
私はこういう緻密な作業は苦手なので、どこかでずれてこんな風に左右対称には編めなそう・・・。
手先は不器用、運動神経悪くて狩りもできない。
白石よりずっと役立たずです。
スキーの板ありました。
原作通り、裏にアザラシの皮が貼ってあります。
第8話のスキーのシーンを初めて読んだ時、野田先生ってなんて絵が上手いんだろうと思いました。
実写映画ではあのシーン、きっと再現されますよね。
・・・それはちょっと見てみたいかも。
アマッポ。
これが勢いよく飛んで来たら、毒がついてなくても相当なダメージを食らいそうです。
第147話でトドを狩る時に使ってた銛。
写真の撮り方失敗しましたが、結構大きいです。
アシㇼパさん力持ち。
クロテンの毛皮。
毛足が長くて光沢があり、とても美しい。
確かにこれは高く売れそうです。
飼いトナカイが付けてた鈴。
ヴァシリに狙撃された時に乗ってたトナカイ用のそりもありました。
右端の木偶、第164話に登場してました。
ウイルタのお守り色々。
ちょっとピンボケ、すみません。
杉元が犬って言ったトラ。
私はワニだと思ったんですけどねぇ。
ちょっと見にくいですが、民族は「ナーナイ」となっています。
これ見れただけで来たかいがあった!って思えました。
右のマキリは女性用です。
男性用と比べると、やっぱりちょっと小ぶり。
作中、ゆりかご結構出てきましたね。
この博物館では民族ごとではなくこうやってアイテムごとに展示されていました。
同じ用途のものを並べて比較することで、民族によって使用する素材や形が違っていることがとてもよくわかります。
今回ご紹介したのは展示物のごく一部です。
開館当時は最新だったであろうマジックビジョンや映像資料もたくさんありました。
特にアザラシを獲っている映像は、生々しく、かつたくましくて、二瓶鉄造を思い浮かべました。
二瓶鉄造、指落とされちゃっても全然動じてなかったじゃないですか。
この人も、アザラシを獲っている時にもしケガしても、二瓶みたいに痛がったりしないんだろうなぁと思って見てました。
うまく説明できませんが、アザラシ可哀想とかはあんまり思いませんでした。
生きるってこういうことなんだな、と納得できる「本物の映像」でした。
北海道リモート・ミュージアム
このHPで表示されるリストの一番下に、北方民族博物館の館長が常設展示を説明している動画があります。
今回お伝えしきれなかった博物館の魅力が紹介されてますので、お時間ある方はぜひご覧ください。
北方民族博物館を訪れる際の注意点
先述した通り、イヤホンを持って行くというのがひとつ。
もうひとつは、誰と行くかってことです。
ゴールデンカムイ読んだことない、または北方民族に全然興味ない人だったら、多分1時間ほどで見学終了です。
でもゴールデンカムイファンなら最低でも2時間、なんならそれ以上全然いれちゃいます。
その温度差、ハンパない。
網走市内のホテルに泊まる場合、どこからでも大体車で5分から10分くらいだと思うので、もし同伴者がゴールデンカムイや北方民族に特別の興味がないという場合はいっそ別行動した方がお互いのためかもしれません。
私は2時間半くらいいましたが、時間が許せばもっといたと思います。
オホーツク流氷館
私も同じルートを辿ってきたのですが、どうしたことか、写真を撮るのをすっかり忘れておりまして。
館内の様子は公式サイトでご覧ください!
入館すると、まず流氷のプロジェクションマッピングが見れるお部屋に案内されます。
実物が見れなかったので、今回はこちらで予習。
白石が食べて臭いと言っていたクリオネも数種類見ることができます。
どれもとても小さい。
なんでこれを食べようと思ったのか・・・?
屋上からは、網走港や網走市内が一望できました。
マイナス15℃の世界
流氷館で一番盛り上がったのは、マイナス15℃を体感できる「流氷体感テラス」です。
入った時はひんやりするなーくらいですが、ずっといるとじわじわ寒くなってきます。
ここでは、「タオルが凍る」という体験ができます。
入口に湿った薄手のタオルが置いてあります。
このタオルはびしょびしょではなく、脱水機かけた後かな、くらいの湿り具合。
これを持って入り、端を持ってぐるぐる振り回すと、数秒で凍るんですよ。
少し長めに回すとパリパリになります。
これがめちゃくちゃ楽しくて。
タオルを振り回しながら、氷の椅子(ベンチ的なもの)に座ったり、流氷を触ったりしてマイナス15℃の世界を満喫しました。
部屋から出ると、係員のお姉さんたちに「楽しそうでしたね!」と声をかけられびっくり。
室内に監視カメラついとった!!
混んでる時は入場人数をコントロールするためか、入口付近にちょっとしたスペースがあります。
そこにモニタが設置され、中の様子がリアルタイムで見れるようになってたんですよ。
私が行った時は空いてたのでそのまま入ってしまい、そんなんあるって全然気付かなかった!
マイナス15℃の世界、全部見られてるのではしゃぎすぎないようお気を付けください・・・。
メッセージボード
流氷館はそれほど広くなく、1時間もあれば十分回れると思います。
ロビーの売店でオホーツク海の塩がかかっている流氷ソフト(おいしい)を食べながらお迎えの車を待っている時、ロビーの壁面にメッセージが貼り付けられたボードがあることに気付きました。
マグネットシートにホワイトボードマーカーで流氷館の感想や旅の思い出などを自由に書いて、壁にペタリと貼ることができます。
見ると白石や月島、尾形などのゴールデンカムイメンバーがいました。
網走監獄を見学してゴールデンカムイ愛冷めやらぬ中、流氷館を見学したことが伝わってきます。
プライバシーや著作権を侵害してはいけないので写真は撮りませんでしたが、流氷ソフトクリーム食べてヒンナしてるアシリパさん、かわいかったなー。
せっかくなので私もマイナス15℃に凍える杉元を描こうと思いましたが、いかんせん時間がない!
結局ラフしか描けず、それを元に帰ってから仕上げたのがこれ。
次回は十分なお絵描き時間を確保した上で、リベンジしたいと思います!
ゴールデンカムイ聖地巡礼へのリンク
網走① 網走監獄編
函館① 五稜郭編
函館② 北方民族資料館&大沼だんご編
登別温泉 登別クマ牧場編
札幌 北海道開拓の村編
番外編 アイスホッケー試合観戦編