29巻と30巻で繰り広げられた熱い戦いの舞台となった五稜郭。
野田先生が刺青の地図を日本全国の読者が見たら一発でわかる場所にした、とおっしゃってましたが、すみません、わからない読者、ここにいました・・・。
五稜郭については、学校で習ったんじゃないかなとは思います。
でも、歴史の授業って戦国時代あたりまでは結構細かく教えてくれるのに、3学期になると急に時間がないとか言い出して、明治大正は端折り気味、一気に昭和を駆け抜けませんでしたか?
だからもしかしたら習ってない可能性もある・・・わけないか。
習ったけど忘れてしまったのか、そもそも習ってないのか、その判断もできないくらい記憶が定かではない。
とにかく
五稜郭という名前は聞いたことある気がするけどそれが何なのか、どこにあるのかわからなかったので、
五稜郭の絵をみた時、こんなナスカの地上絵みたいなものが現存しているというのなら、ぜひこの目で見てみたいと思いました。
相変わらず長く画像が多いのでたたみますね。
バスを降りると確かに公園っぽい広い敷地が見えますが、「
五稜郭に到着した!」感はありません。
五稜郭は上から見ないとその全貌がわからないので、まずはタワーに登るのが
五稜郭観光のセオリーらしい。
1階にはチケット売り場や
売店、アトリウムというステージのあるスペースがあって大変広々としています。
このアトリウムに土方さんのブロンズ像がありました。
かっこいい!
でも逆光だから写りがイマイチ。申し訳ない。
五稜郭タワーの展望料金は大人900円、エレベーターに乗って30秒ほどで展望階に到着します。
展望階にも土方さんのお姿が。
でもやっぱり逆光。
窓枠が入らないように写真を撮ったら右側が切れてしまいました。
「本当に星形!でも思ったより小さいな」というのが第一印象。
そう思っちゃったのは、作中で端から端まで550mと紹介されていたのに、それがどのくらいの大きさなのか私が全然イメージできていなかったからです。
真ん中にある建物が再建された函館
奉行所で、手前にちらほら写っているのが人ですから、そんなに小さいってことはないんですが、なんとなくもっと大きいと思ってました。
ここでも先生の絵大きく見える事案発生。
寄ってみるとこんな感じ。
外部からの侵入を防ぐための工夫が随所に見られます。
全貌がうまく撮れなかったんで、展示してあった模型も載せておきます。
後述しますが、これ橋が3つあるので今のじゃなくて当時のものかも。
紙を折って作った切り絵みたい。
このフォルムだけでも見たら感心しちゃう美しさですが、春は桜、冬はイルミネーションや雪景色に彩られ、益々輝きを増すそうです。
結構距離があるように見えますが、かなり的確に攻撃されてましたよね。
きっと気球による観測隊と鯉登艦隊の砲主の腕が一流だったんでしょう。
展望階にある展示エリアでは、
五稜郭の歴史が
新撰組の戦いと共にパネル、
ジオラマなどで詳しく紹介されてました。
ジオラマがなかなかよくできていたので、いくつか写真載せておきます。
一生懸命編んでも全然使い道ないやつ。
昔流行りましたよね?
蝦夷地を手に入れ、
榎本武揚を総裁とする仮の政権を樹立した時の記念撮影。
右手の背中を向けて立ってるのが土方さんかな?
この頃から節目節目で写真を撮っていたようですね。
函館に向かう途中で銃弾に倒れた土方さん。
さぞかし無念だったことでしょう・・・。
五稜郭で売っていたTシャツに「函館氷」と書いてあって、なんで氷?と思ったら、
五稜郭のお堀の水で作った氷はこれまで流通していたものより品質が良くリーズナブルだったので「函館氷」として大人気で、横浜や東京に運ばれかき氷などとして売られていたそうです。
エビフライエピソードがあったけど、もしかしたらかき氷エピソードも案としてあったかもしれないですね(あくまで私の妄想です)。
今回ご紹介したのは展示物のごく一部ですが、
ジオラマにはそれぞれ説明文が添えられていて、併せて見ると知識ゼロの私でも函館戦争の歴史がよくわかりました。
こうやって歴史的な背景を知ると、
ゴールデンカムイを読んで断片的に得た知識が少しずつですがつながっていきますね。
この知りたい欲と学ぶ姿勢が若い頃にあればこんな大人が出来上がることはなかったのに・・・と悔やまれます。
五稜郭の展望1階には
売店があり、お土産を買うことができます。
売店はタワーの1階にもありますが、この展望階にしか売ってないお土産もあるようなので、気になるものがあったら躊躇せずここで買いましょう!
ちなみに私が気になったのはこれ。
最近こういう柄が浮き出てくる醤油皿見かけますが、それの
五稜郭バージョン。
最後にこういうタワーのお約束。
タワーから
五稜郭の全貌は把握できたので、いよいよ
五稜郭内を見学します。
これは一の橋です。
右端に見えている
五稜郭の地図を使って各陣営の場所を確認したいと思います。
二の橋(南口)は二階堂が泳いで(?)渡ったところ。
鯉登さんが永倉さんと戦ったのもここです。
裏門橋(北口)を守っていたのはソフィア。
馬小屋があったのも多分ここらへん。
最終的に杉元たちはここから脱出しましたね。
(東口)は鶴見さんが突撃したところ。
先ほどの模型にはありましたが、今はないようです。
東口の橋の跡地、探せばあったかもしれませんが、この時は
五稜郭の地図が把握できておらず、各陣営の布陣も頭に入ってなかったので完全にスルーしてしまいました。
無念。
半月堡
「一の橋」を渡ったところにある「半月堡」。
星形の端っこにある三角の部分です。
杉元が駆け上がって頭上から兵士の頭を刺したところです。
(29巻第282話「一刻」より)
このシーン強烈だったんで、ぜひ実物を見たいと思ってました。
なのにここの部分の刎ね出しは撮り忘れちゃった。
別のところですが刎ね出し。
結構高さがあります。
説明を読むと敵がよじ登ってくるのを防ぐためのものでした。
それなのに上から攻撃されるなんて、不意打ちもいいとこですね。
アシㇼパさんが白石にひっぱってもらって渡ろうとしたお掘。
そしてもうひとつ、アシㇼパさんを見つけた鶴見さんが走ってきた小径。
ここマジで怖かった。
(30巻第298話「ウイルクの娘」より)
原作には木は描かれてなかったし、絶対ここ!というわけではありませんが、雰囲気は近くないですか?
撮影スポットを探している時、向こうから鶴見さんが走ってくるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
上から見るととてもわかりやすい
五稜郭ですが、地上に降りると方向オンチ泣かせ。
周りを見回しても全部おんなじに見えて、まるで巨大迷路に迷い込んだようです。
外部から安易に攻撃されないよう、こんな風に土の壁がありとにかく見通しが悪い。
当時は周囲に目印になる建造物もなかったし、
五稜郭の形が理解できていたとしても、自分がどこにいるか把握するのはかなり難しかったと思います。
私があの場にいたら、「東口に向かえ!」と言われても、「東口どっち!?」ってなってました。
土方さんが「ここでの戦いは2回目だから戦い方をよく知っている」と言っていましたが、戦術はもちろん、地図が頭に入ってて、実際に現地を見たことがあるというのは大変なアドバンテージだったと思います。
ゴールデンカムイファンには「作中のあの場所を探す」という楽しみがありますが、一般の方も楽しめる見どころと言えばここ、函館戦争の時に砲撃の的になり、降伏せざるを得なくなったという函館奉行所です。
20年以上かかった復元作業が終わり、現在内部を見学することができます。
ちょっと傾いて撮ってしまいましたが、内部には広々とした部屋があります。
部屋の造りはもちろん、襖や障子、畳に至るまで当時の姿を忠実に再現しているそうです。
この復元がとにかく大変だったみたいで、その苦労がしのばれる展示や映像を見ることができます。
数々の困難を乗り越えこれを実現した関係者の皆さまから、この函館
奉行所はもちろん、函館戦争や
五稜郭、土方さんたちへの熱き想いを感じました。
タワーの
ジオラマの検討会の場面に使われていたのはこの絵ですね。
右がフランスの筑城書を写したとされる図面。
真ん中のは初期の設計図。半月堡が5カ所に配置されています。
左が最終設計図の一枚とされる図面。
フランスの築城書、オシャレですね。
最初からこんな色がついてたのかな?
室内が暗めで、しかも
ラミネートされた写真を撮ったので見にくくて申し訳ないです。
世界の
五稜郭として紹介されてましたが、五角形に限らず、七角形~十一角形スタイルもあるようです。
私の撮り方が悪いからかもしれないんですけど、他の国の
五稜郭、よく見るとなんかいびつだったり野暮ったかったりしてあんまりクオリティが高くないのもあるみたい。
先ほどもちょっと書きましたが、函館の
五稜郭、とにかく美しいんですよ。
例えば星の先端の角度なんて、定規使って描いたって5個もあったらどっかしら数度違ってる、なんてことありそうじゃないですか。
それがどの辺もまっすぐだし、角度もぴしーっと合っていて、寸分の狂いもない。
器用な国民性なのか、美意識の高さか、技術力と経験によるものか、とにかく日本の職人さんってすごい。
正に機能美。
原作で見た時も非常に精巧に描かれていたので、野田先生の絵が緻密だからかなって思ってましたが、誇張でもなんでもなく、実物が先生の絵の通り、あの美しい五角形でした。
鶴見さんが武器を買う時にもお話出てましたが、日本の技術力の高さが、当時すでに世界にも認められていたのも納得です。
奉行所では、
御朱印ならぬ御城印を購入することができます(300円)。
わりと最近もらえるようになったみたいです。
良い記念になりました。
帰ってから知ったんですが、近くにある最上寺にお参りすると土方歳三の名前の入った御朱印がもらえたそうです。
・・・リサーチ不足が悔やまれる!!
次回は必ずお参りしてきます。
五稜郭の聖地巡礼は以上です。
函館駅からも函館空港からもバスで30分とアクセスの良い五稜郭。
ゴールデンカムイファンはもちろん、歴史好きも楽しめる、正に一見の価値ありの聖地でした。
函館には土方さんゆかりの地がたくさんありますが、そのうちのひとつ、土方歳三最期の地碑に行ってみることにしました。
函館駅からナビを頼りに歩くこと15分。
そろそろあるはずなんだけど・・・と不安になった頃に案内板を発見。
のどかな住宅街にある公園みたいな入口。
でもこの案内板のおかげで見落とさずに済みました。
地域の施設かな?その敷地内の一角に祀られていました。
今でもたくさんのお花が手向けられています。
ここを地図で見ると、五稜郭から函館駅を結ぶ線上、あと少しで函館駅という位置にあります。
土方さんの最期の地については諸説あるようですが、野田先生はここだと解釈されているのかなと思いました。
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