以下は2025年10月31日に公開された「アニメゴールデンカムイ札幌ビール工場編」後編の感想です。
後編の鶴見さん(芳忠さん)があんまりすごかったんでつい初日に感想を書いてしまったんですが、今回はそれ以外のあれやこれやについて記していきたいと思います。
相変わらず記憶が曖昧なので適当なことを言っちゃうかもしれませんが、そんな印象だったのね、ということでスルーいただけたらと思います。
また、念願の応援上映(前後編)にも行けましたので、その感想も含みます。
映画の内容だけでなく、原作最終話までのネタバレをしております。
閲覧どうぞご注意ください。
前編に続き、良い声祭りの札幌ビール工場編後編。
作画も前編より全体的に良かった気がするし、数か月待てばアニメで観ることができる内容ではありますが、今回も映画館で観て良かったなと思えた1時間でした。
「仲間と思っていたのに裏切られる」はゴールデンカムイあるあるですが、房太郎のそのターンはすでに終わったと思っていたので、完全に油断しておりました。
房太郎がスコップで杉元を殴るシーン、原作では杉元の首が折れそうなくらいモキッてなっていて房太郎の本気度が伝わってきましたが、映画ではわりとあっさりめに描かれていたのが意外でした。
自分の幸せ至上主義の房太郎が「なんだかんだ言ってアシㇼパちゃんは杉元と一緒にいたいんだから、金塊を俺が奪って強制終了すればアシㇼパちゃんの肩の荷も下りてウインウイン!」と思ったとしてもおかしくはありません。
しかし房太郎が金塊を手に入れて作りたいものは、アシㇼパさんが守りたいものでもあります。
今回の映画では、それぞれの「個人の幸せ」と「大義」のせめぎあいがあらゆる場面で描かれていました。
これまでどんな任務も表情ひとつかえず淡々とこなしてきた月島が、アシㇼパさん確保より鯉登さんの命を優先しちゃったり、分が悪いとすぐに逃げ出してきた白石が、危険を顧みず杉元を助けに行ったり。
白石、本当に変わりましたよね。
房太郎が白石をかばったのは「満身創痍の自分より白石の方が自分の夢を叶えられる可能性が高い」と考えたからではないかと思うのですが、一緒にいたのが網走にいた時の白石だったら、盾にしていたかもしれません。
常に目的までの最短経路を選択する。
失った故郷を作りたいってところも含め、房太郎ってウイルクに似てるかも・・・なんてことを思いました。
二階堂のお箸攻撃、不死身の杉元には効きませんでしたが(第30巻参照)、アシㇼパさんには効果絶大。
重大任務を完遂した二階堂はもっと評価されても良さそうなもんですが、二階堂にとって任務(大義)は二の次、「とにもかくにも杉元コロス!」だからまぁいいか。
鶴見さんの「あそう!!でも良かったじゃないか」が本当に雑で・・・最高でした。
さすがアニメ、門倉スイッチのピタゴラっぷりを完全版で観ることができました。
あまりにも見事だったからか、応援上映では「そうはならんやろ!」と声が上がっていました。本当にそう。
でもキラウシの「門倉~わああ~」の愛らしさをアニメで再現するのは難しかったようです。
これはアニメがダメとかいう意味ではなく、原作のキラウシが秀逸すぎるのです。
原作未読の方はぜひその目でお確かめください!
今回はヴァシリの心の声が字幕なしで聞こえましたが、逆に、心の声が「フンフン」に浸食されてました。
銃の腕前はピカイチだけど、今身近に誰もほめてくれる人がいない尾形にとって、こうやって定期的に優越感を与えてくれるヴァシリは貴重な存在なのではないかと思います。
銃での対話だけでなく、ふたりがじっくり膝を突き合わせて話す場が設けられていたら、尾形の運命もまた違うものになっていたんでしょうかねぇ・・・。
消防団に野田先生がカメオ出演しているということですが、後編のエンドロールにはお名前がなかった(と思う)ので、やっぱり前編の掛け声のみのご参加だったのかもしれません。
そういえば公開記念の舞台挨拶で、前編の「プイッ」って口で言うのはスタジオにいらした野田先生のご提案だったというお話がありましたが、皆さん先生にはお会いできたのでしょうか。
以前同時視聴会で、声優陣の方々が「野田先生に会ったことがない、会ってみたい」とおっしゃっていたので、実現していたらいいなと思います!
ウラジオストクの地に降り立った鶴見さんの装いが月島の地味な色合いとは違っていて、とてもおしゃれでした。
肋骨服(夏服)の袖が取れちゃったのは任務中のことなのに、新しい服は支給してもらえなかったのでしょうか?
それか、「この服を着ているってことは、一本の毒矢を放ったのは鯉登さん誘拐事件のすぐ後のことだ」と視覚的にわかるように野田先生がわざとそうしたか。
いや、もしかしたら、このあたりから肋骨服から鯉登さんが着ている軍服に切り替わった気がするんで、新しい肋骨服の在庫がなかったのかもしれません。
理由はさておき、どんな服でも似合っちゃう鶴見さん。
応援上映では「天使の羽!」みたいな掛け声が聞こえていましたが、確かに羽に見えなくもない。
放ったのは毒矢ですけどね・・・。
支笏湖を逃げるウイルクを発見した時の鶴見さんの目が本当に怖くて、ウイルクに対する恨みが並々ならぬものであることが見て取れました。
相手によって微妙にニュアンス変えたりスパイス効かせたりするので、私はずっと鶴見さんのどれが本心でどれが甘い嘘なのかよくわからなかったですが、ウイルク周辺のことになると、感情(と脳汁)の制御ができなくなってしまうのは昔からのようです。
完結した今思えば、「個人的な弔いのために道をそらすことは断じて無い」という言葉は嘘ではなかったですが、だからといってウイルクに対する恨みが小さな小さなものだったかというと、そんなことはありませんでした。
鶴見さんの告白を盗み聞きした月島の「はぁ?」が深すぎて、「声」というより「音」でした。
結果的には鶴見さんから聞きたかった言葉が聞け、ほっとした表情を見せた月島。
しかし月島が捨てたものを鶴見さんが持っていたという事実を忘れてはいけません。
月島がそれに気付かないはずはないんですが、この鯉登さんの笑顔は、月島と読者(私)にそのことを思い出させないための野田先生の仕掛けだったのかなぁ・・・なんて映画を観ていて思ってしまいました。
ちなみに私はここで鯉登さんの声が聴けなかったのは物足りないと思った派です。
でも大丈夫。
鶴見さんにはバレないように、脳内で小西さんの声を再生しておきました。
ついにアイヌの金塊が奪われたいきさつが明かされますが、原作を読んでいる時からずっと気になっていたのが「ウイルクが自分で顔の皮剝がした」って件です。
顔の皮って、結構凹凸あるのに、意識を保ちながら唇はもちろんまつげまでこんなきれいに剝がすなんて、本当にできるもんなのでしょうか。
仮にうまいこと剥がせたとしても、命にかかわる重症です。
あんな汚い布(失礼)巻いただけで、しかも湖を泳いだりしても感染症とかにならなかったんだから、不死身の杉元もびっくりの生命力。
そもそもなんで「身元がバレるとアシㇼパに迷惑がかかる・・・よし、顔の皮剝がそう!」って考えに至ったんでしょう。
ヒグマの一撃で玉井伍長みたいになっちゃったけど、命だけは助かったって人を見たことがあったのかなぁ。
とにかくウイルクが人間離れしたフィジカルとメンタルを持っていたことは間違いないですね。
後半の鶴見劇場が恐ろしくも素晴らしかったことは前回の記事でご紹介した通りです。
タイトルが回収され札幌ビール工場編の後編が終了しましたが、この後どんなスケジュールでアニメが放送されるかのアナウンスはありませんでした。
最終章、適度に休みを挟みながら、あと3年くらい続けてくれたらいいのになぁ!
応援上映にもギリギリで参加でき、同志の皆さんと楽しい時間を過ごすことができました。
今回は、規模が小さめだったからか、声援も実写映画の時より控えめな印象でした。
しかし決して熱量が足りなかったわけではありません。
これは私だけではないと思うのですが、アニメって、何度リピートしていたとしてもついつい見入ってしまうものだからです!
とはいえ「牛山さま~~!!」と愛を叫ぶリアル家永先生の声援が聞けたり、「杉元さーん!」とか「尾形さーん!」とさん付けでの声掛けにリスペクトを感じたり、応援上映ならではの良さを満喫してきました。
あ、あと上エ地が私が思っていた以上に人気者であることを知りました。
上エ地の魅力に気付けてない私、まだまだですね・・・。
今回の応援上映では、実写の応援上映の時の2倍くらいの数の男性をお見かけしました。
応援上映は老若男女、みんなで楽しめるイベントなので、定期的に開催してくれたら嬉しいですね!


TVアニメゴールデンカムイ最終章は2026年1月5日(月)放送・配信スタートです!