ゴールデンカムイだらけ

ゴールデンカムイにおける自分的萌えポイントを書いたり描いたりする二次創作ブログです。

実写ドラマ版ゴールデンカムイ 北海道刺青囚人争奪編 第9話「大雪山」感想

楽しませていただいた実写ドラマもいよいよ最終話。

トリを飾る「大雪山」は、第一部の締めにふさわしいエピソードだと思います。

しかし今回はとにかく「薩摩隼人」の印象が強かった!

 

ゴールデンカムイの魅力満載、感情揺さぶられまくりのあっという間の53分。

原作の結末のネタバレを含みます。

ドラマ派、アニメ派の方は閲覧どうぞご注意ください。

 

 

 

ヒモたち

美しい自然とチカパシの澄んだ歌声で幕を開けたドラマ最終話。

しかしよく聞くと歌詞がひどい。

さすがに谷垣ニシパの指導が入りましたが、このくらいの年頃の男子あるあるで、全く響いておりません。

 

そんな無敵のチカパシですらこれほどまでに恐れるヒグマ。

このヒグマ避けのおまじないが言い伝えられているということは、過去にそうして逃げ切れた人がいたということでしょうか。

真偽は定かではありませんが、ヒグマに殺されずに済むのであれば、どんなことでも試す価値はありそうです。

 

チカパシ作詞の「しかくさんかくまる」。

また下ネタ・・・と思いきや、言っていることは間違っていない気がしないでもない。

谷垣の深いため息とともに現れたタイトル文字が、「これぞゴールデンカムイだ!」と高らかに宣言するようでした。

 

 

川原さん(原作では青原さん)、シャツの襟が丸いからか、原作よりおしゃれな印象です。

インカラマッちゃんがお金で動くタイプと察して替え玉の交渉をするのはまぁアリとしても、出会ったばかりの人にこんな内情をベラベラしゃべっちゃっていいのかな?

街中で銃を出しちゃうところにも、相手が自分の言うことを聞いて当然という傲慢さが表れています。

思い通りにならない千鶴子さんの代わりにしようと思ったのか、美しいインカラマッちゃんに新たなビジネスチャンスを見出したのか。

「女性を利用してお金儲けをする」。

典型的な、良くないバージョンのヒモ、ここにいました。

 

チカパシにインカラマッちゃんを助けるかどうか聞かれた谷垣が「どうだろうなぁ」って言ったの意外でした。

杉元だったら間違いなく助けたと思うけど、谷垣はインカラマッちゃんがフチを不安にさせたことを根に持っているようです。

「怖いけど家族だから助ける」と漢を見せたチカパシと、「それが勃起だ!」と急にスイッチが入った谷垣との会話、あんまりかみ合ってない気がしたけど、結果オーライ。

 

インカラマッちゃん、足音を聞いただけで助けに来たのが谷垣だってわかったみたいですね。

勃起した(?)谷垣がめちゃくちゃかっこいい・・・。

孤児で放浪生活をしていたインカラマッちゃんに「俺の家族だ」だなんて、こんなん惚れてまうやろ!

私もインカラマッちゃんは何を考えているのかわからないあやしい女性だと思いますが、谷垣にキュンしたことはわかりました。

ドラマでは「家族」だけでなく「LOVE」な気配も感じられ、今後の展開に説得力が増した気がしました。

 

なんだかんだ言って、結局インカラマッちゃんにおごってもらうしかないヒモふたり。

「三人で一緒に食べましょう」と言ったインカラマッちゃんの気持ちの変化に、谷垣は気付いているのかな?

 

 

軍都旭川

私が網走監獄や北鎮記念館で知った北海道開拓の歴史は過酷なものでした。

北見の道路開拓に従事した囚人たちは使い捨て扱いだったし、各地から集めた屯田兵の皆さんの労働環境も、決して良いとは言えませんでした。

理不尽な理由で捕えられ、30年以上苦役を強いられてきた土方さんの一言一言が重い・・・。

 

 

第七師団の駐屯地の全貌、ドラマでは一部しか映ってなかったので北鎮記念館に展示されていたジオラマの写真を貼っておきます。

「師団司令部」が杉元たちが訪れた部屋で、気球隊の試作機があったのは矢印の先と思われます。

ちなみに工兵第7聯隊は工兵だったキロちゃんがいたところです。

鶴見さんたちがいた歩兵第27聯隊とはずいぶん離れています。

 

第七師団、結構な大所帯でした。

 

 

原作で、淀川中佐は名前が淀川なのに顔が水野さんそっくりだったのは、映画好きな野田先生の遊び心でしょうか。

私は映画マニアではないけれど、コロンボとかヒッチコックの映画を淀川長治さんや水野晴郎さんの解説で観た記憶があります。

でもこれ、元ネタがあることを知ったとしても、ある一定の年齢以上の人じゃないと、おふたりの顔がパッとは浮かばないかも・・・。

 

スケキヨは何度もリメイクされているので、多くの方がご存じのことと思います。

このスケキヨ、原作よりアニメより、なんなら本家より不気味でした。

本物の人皮のように見える色のせいか、下唇が舌のように見えるからか・・・。

 

「イヌドウ・・・」はゴールデンカムイファンならだれもが一度はマネをしたことがあるのではないでしょうか。

「イヌドウ」というワードひとつでなんとなく会話が成り立ってしまう不思議。

話し方だけでなく、動きも普段の杉元と全然違っていて、賢人くん、とっても楽しそうでした!

 

 

鯉登さんの第一声を聞いた時、似せたわけではないだろうけど、小西さん(アニメの鯉登少尉の声優さん)の声かと思ってしまいました。

ビジュアルも原作そっくりです。

こんな眉毛なのになんでかっこいいのか原作を読んでいる時から謎でしたが、3次元に落とし込んでもやっぱりイケメン。

中川さんの土台の良さもあるだろうけど、この独特な眉毛を自然に見せるために、試行錯誤が繰り返されたに違いありません。

それにしてもすごいドヤ顔・・・。

鶴見さんから直接命を受けたことが誇らしいのか、重要な任務を任されめちゃくちゃ張り切っているのか。

さすがボンボン、謎の自信に満ちあふれています(あくまで個人の偏見です)。

 

白石を連れて窓から飛び出す時、「俺は不死身の杉元だ!」って言わなかったですね。

「看守のスギモト」ではなく「不死身の杉元」だとバレたら、白石だけでなく杉元も捕獲対象になってしまうから?

それとも「イヌドウ」としか言わないキャラを最後まで演じ切りたかったから?

 

尾形って、仲間だととっても心強い。

でも鯉登さんをあおる様子を見て、軍で嫌われていたの、ちょっと納得してしまいました。

端で見てる分にはおもしろいですけど、言われた方はイラッとしますよね。

 

中川大志さん演じる鯉登さんがとにかくフレッシュで眩しい!!

鶴見さんへの狂信的な愛、驚異的な身体能力、まくしたてられる薩摩弁。

そうでした、鯉登さんって、最初はこんな感じでした。

原作一成長の著しい鯉登さんのスタート地点が明確になり、今後の成長っぷりを見るのが俄然楽しみになってきました。

中川さんも、それを見越してこの鯉登さんを作り上げたのでしょうか。

独特な走り方も野田先生お気に入りの空中かきかきも完璧に再現されていました。

「実写ドラマは観てないんだー」という原作ファンの方にも、この鯉登さんはぜひ観ていただきたいですね!

 

 

以前冬の大雪山で現地調査をしてきましたが、例え気候の良い時期だったとしても、こんな軽装で越えられるとは思えない迫力がありました。

ほんのちょっと登っただけで気温も風の強さも全然違ったので、ユクがいてくれて本当に良かったです。

実は原作を読んでいた時、「そんなに都合よくユクがいることあるのかな?」と思ったんですが、何度か聖地巡礼に行って、己の認識が間違っていたことに気付きました。

郊外や山に行くと、結構あちこちで野良ユクの姿を見かけました。

今ですらそうなのだから、当時はもっと遭遇率高かったと思います。

 

 

腹の中

狭い腹の中であっても、常にニコイチな杉元とアシㇼパさん。

ドラマではたくさんユクがいたので、尾形にもう一頭倒してもらっても良かったですね。

 

杉元がアシㇼパさんがかみちぎったユクの肝臓を躊躇なく口に運んでいる・・・。

第一話でユクの脳みそや食道をいやいや食べていたのがなつかしく思い出されます。

 

そして珍しく杉元が胸の内を吐露し、涙を見せる名シーン。

 

杉元の好物が干し柿であることは間違いないと思います。

でももしかしたら、ほかにも好きな食べ物はあるけれど、梅ちゃんフィルタにより干し柿を一番の好物だと思っていたのかも。

・・・なぜなら梅ちゃんの旧姓が柿崎だから。

何を食べるかより誰と食べるか。

杉元が好物なのは、梅ちゃんと食べた干し柿なんじゃないかな?

 

ドラマでは、原作以上に「干し柿=梅ちゃん」が強調されていたように思います。

甘くておいしい干し柿

戦争に行く前に食べた。

帰った時は食べてない。

そして、アシㇼパさんが見たことも食べたこともない未知のもの。

 

アシㇼパさんは、「干し柿を食べたら戦争へ行く前の杉元に戻れるのかな」と言ってくれたけど、家族になるはずだった梅ちゃんには「あなたどなた」って言われちゃうし、一緒に過ごした寅次ももういない。

杉元は「故郷に帰って家族と過ごす時間で元の自分に戻れる」と思っているので、故郷も家族もなくなってしまった自分は、たとえ干し柿を食べたとしても「元の自分」には戻れない。

わかってはいたことだけど、アシㇼパさんから無邪気で優しい言葉をかけられたことにより改めてそのことを再確認し、杉元はこみ上げる涙を堪えることができなかった・・・。

というのが原作の杉元の心情だと私は思ってたんですが、ドラマの杉元にはそこまでの感情の揺れが見えなかったように思います。

内心動揺していたかもしれないけど、少なくとも原作のように感極まって涙する、という感じではありませんでした。

 

え・・・どうしてなんだろう。

杉元があそこで涙を見せたことが大雪山の肝だと思ってたので、アシㇼパさんの言葉を静かに受け止めた杉元の姿、私は結構意外でした。

また盛大な勘違いをしている可能性があるんであまり大きな声では言えませんが、第七師団のお膝元である大雪山は戦争の象徴であり、その山中にいたユクの腹の中は、戦場から戻りたくても戻れない杉元の八方塞がりの苦しい胸の内を表していたのではないかと思います。

最初は「アシㇼパさんが杉元の地雷を踏んで泣かせた」みたいにとらえられるといけないから杉元のダメージを少なめに描いたのかな?と思ったんですけど、別に杉元の腹の中に踏み込むことは悪いことじゃないですよねぇ。

ドラマの杉元からは、すでに元の自分に戻ることを諦めているような気配を感じたんですが、もしかしてこの時点で梅ちゃんと一緒になるつもりはなかったのかなぁ。

あ、だから原作でぼんやりしていた寅次がドラマではばっちり映っていたの?!

・・・それはさすがに杉リパ妄想が過ぎるか。

しかし少なくとも、杉元に寄り添うアシㇼパさんの存在感は、原作より増していたのではないかと思います。

いずれにしても、杉元とアシㇼパさんが同じ腹の中にいるからこそ成立したこのやりとり。

一人ひとユクいけたじゃんとか言ってごめんなさい。

 

「杉元の故郷で干し柿を食べたい」というアシㇼパさんの言葉に、「はい」とも「いいえ」とも答えなかった原作の杉元。

返事をしなかったのは、いわゆるフラグで、杉元が死ぬからから、梅ちゃんと食べるからか、その他なんらかの事情でそんな日はこないからか。

こうやってちゃんと返事をしてくれてたら、もう少し心穏やかに最終話を迎えられたかもしれないのに・・・と思わずにはいられません。

でも、杉元に返事をさせなかったのは、最後まで読者を楽しませようとする野田先生の粋な計らいだったんだと思います。

私はいつだって野田先生の手のひらの上で転がされているのです。

 

原作の杉元は「元の自分に戻る策なし」と絶望していましたが(あくまで私見)、ドラマではアシㇼパさんと干し柿を食べる約束をしていたので、少し前向きな印象を受けました。

なんとなく「元の自分に戻る」と「干し柿を食べる」はイコールだと思っていたけれど、確かに、元の自分に戻れないからといって、干し柿を食べちゃいけないってことはないですもんね。

 

寅次との約束なので、金塊は渡そうと思っていると思います。

しかしその後どうするか、どうしたらいいのか、ノープランだった杉元に、「アシㇼパさんを故郷に連れていって干し柿を食べる」という新たな役目が課されました。

梅ちゃんとではなくアシㇼパさんと干し柿を食べた時、杉元は干し柿と脳みそ、どっちが自分の一番の好物だと思うんでしょうね。

 

 

月島と鯉登さん

待望の月島と鯉登さんコンビの登場です。

鯉登さんは相変わらずアクセル全開。

鶴見さんの写真のにおいをかいだり、鈴川の皮をシャツにしたり。

鶴見さんの感性を受け継いだ、さすが鶴見チルドレン。

「面倒くさい」こそ聞けませんでしたが、月島の今後の苦労が偲ばれました。

 

鶴見さんの白い肋骨服が見れなかったのは残念でした・・・。

でも鶴見さんの「私の囚人狩りに参加するのだ」という言葉を聞いて、鯉登さん以上にテンション上がりました。

これってつまり稲妻狩りに参加しろってことですよね??

これは稲妻エピソード、期待できるんじゃないでしょうか!

 

 

裏切者が白石ではないことが明らかになり、疑わしい人間が絞り込まれてきました。

でもこの時、私にはキロちゃんが悪い人とは思えなかったし、土方さんとか鶴見さんも十分あやしかったので、誰が裏切り者なのか、犯人捜しをするような気持ちでは読んでいませんでした。

次から次へと登場する個性的なキャラに翻弄されながら、ただ物語の流れに身を任せ、ドキドキワクワクしながらページをめくる手が止まらなかったことを思い出しました。

急に変なことを言ってすみません。

本当は記憶を全てなくした状態で、またゴールデンカムイを読みたいんだけど、それは叶わぬ夢。

しかしドラマのおかげで、初見の追体験ができました。

 

 

無事に大雪山を越えた様子の杉元たち。

ヒンナしない尾形に重なる鍋が意味深です。

尾形の過去編、実写で観るのが楽しみなような怖いような・・・。

鍋を見ただけで気持ちがずしりと沈みました。

 

 

釧路で杉元と谷垣が合流し、海岸でジャンプする姿も完璧に再現されましたが、リュウの姿は見当たらず。

リュウ、かなり自由人(犬)でしたからね・・・。

でも樺太に行くならマストな人材(犬材)。

どこかで合流してくれると思います!

 

 

犬童典獄、鈴川の変装とは若干雰囲気違いますね。

口ひげが黒いし、髪も鈴川より多いみたい。

鈴川のイヌドウはあくまで変装だから、あえてそっくりにしなかった・・・とか?

私が気付けてない、制作班のこだわりポイント、いっぱいあるんだろうなぁ。

機会があったら、ぜひ余すところなく教えてほしいです。

 

 

各陣営の持つ刺青人皮をおさらいしたところで、第一部、完。

網走監獄襲撃編に続くッ!!

 

 

ドラマ第一部の感想

実写版ドラマは、とにかくゴールデンカムイ愛にあふれていました。

もちろんここはこうであってほしかった!と思うポイントもなくはなかったですが、やんごとなき理由があり実現しなかったか、私だけがそう思っていた可能性が高いので、だからどうということはございません。

私は他のゴールデンカムイファンの方と意見交換をする機会がほとんどないので、他の方のフィルタを通したゴールデンカムイが見れたのも貴重な経験になりました。

実写化する前はどうなることかと不安しかありませんでしたが、その節は本当に申し訳ございませんでした。

 

原作を読んでいると、それぞれのエピソードで描かれていたことが、実はひとつのテーマを別の角度から表現していたのだ、と気付くことがあります。

例えば今回の「大雪山」では、「家族」について、谷垣と杉元では対象的に描かれていました。

ドラマでは、切れ目なく続く原作の流れを妨げることなく、どのエピソードを組み合わせたらその共通のテーマがわかりやすく、そしてゴールデンカムイの良さが伝わるのか、一話一話、練りに練って作られていた気がしました。

アニメでもそういう構成をされている回がありましたが、ドラマは、一話のボリュームがあるからその取捨選択も大変だっただろうし、実写化が難しい場面をどうするかといった工夫も必要だったと思います。

これ以外にも、あらゆる場面で、ゴールデンカムイのすべてを知り尽くした人たちの叡智が終結したドラマであることを感じました。

おかげで原作を読んでいる時は気付かなかった野田先生の意図を理解することができたし、新たな見どころや、萌えポイントもたくさん見つかりました。

実写版ゴールデンカムイからは、「お前らこれが見たいだろ?」じゃなくて「これ見たいよね!」という想いが伝わってきました。

ゴールデンカムイを大好きな人と想いを共有できて、とても嬉しかったです。

 

 

以上、実写ドラマ第一部全話の感想もどきを書いてきましたが、振り返ってみると、結構トンチンカンなことも多く、お恥ずかしい限りです。

すべて私の妄想で、目からうろこの新解釈も、もちろん正解もございません。

長々としたひとりごとにお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

2025年12月24日発売!

prtimes.jp

 

2026年3月13日公開!

kamuy-movie.com

 

2025年10月10日(前編)、10月31日(後編)公開!

youtu.be

 

ご参考

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これまでの実写ドラマ感想

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