第四期アニメ放送を記念して配信された同時試聴会第1弾を観ました。
以下、動画の内容に触れているのでたたみます。
未視聴の方は閲覧ご注意ください。
いや~同時視聴会、すごい情報量でしたね!
アニメを観ながらそのシーンの解説があったり、それにまつわるちょっとした裏話なんかを副音声的な感じで話しながら進むのかなと思ってたら、アニメの内容はきっかけに過ぎず、そこから制作秘話やら熱い声優論・芝居論やらが展開され、正直アニメを観ているヒマはなかったです。
非常に濃い内容で2時間があっという間でした。
でもこの動画、2022年10月10日までしか観れないんですね。
第四期のアニメ観てゴールデンカムイにはまる人もいるだろうから、そういう人も観れるようにしてくれたら嬉しいなぁ。
こういう動画あったって知ったら、絶対観たいですよね。
DVDやBlu-rayに収録する・・・のは尺的に無理でも、購入特典でDLできるとか、パスワード入れれば視聴できるとかしてくれないかしら。
もちろんもっと気軽に観れるようにしてくれたらありがたいですけどね!
そんな同時視聴会、今回セレクトされたのは
第十七話「腹の中」
第二十五話「樺太へ」
第二十七話「いご草」
でした。
間違いないラインナップ。さすがです。
第十七話「腹の中」
出演者のおふたりがおっしゃる通り、一度観たら「イヌドウ・・・」が頭から離れない回。
そして小西さんの薩摩弁が素晴らしい回。
初出の鯉登さんがとにかくイケメン。
小西さんがご自身の顔にこの眉毛描かれてましたが、リアルで見るとやっぱりすごいインパクト。
なのにこんなにイケメンに見えるってどういうこと?
いつ聞いても流暢な薩摩弁ですが、ここに到達するまでには「本人はもちろん、周りが聞いてもどこが違うのかわからないダメ出し」があったとのこと。
これは辛い・・・。
でもそんなにも難しい薩摩弁を習得しつつ、鯉登さんのキャラクター性もセリフに込めることができるなんて、プロの声優さんって本当にすごい。
この時は初々しかった鯉登さんが、第四期以降どのように成長していくのかとても楽しみです。
そして鹿の腹の中での杉リパ。
杉元とアシㇼパさんの関係について、登場人物のだーれも踏み込まないので、みんな気にならないのかな?ってヤキモキしてたんですが、そうか、月島(竹本さん)は口には出さないけど「あのふたりは仲間なの?男女なの?」と思っていましたか!
「お互いを大切に思ってる全てを超越した関係」っていう小西さんの言葉が模範解答なのはわかってます。
尊いふたりに下世話な想像するの本当に申し訳ないんですが、やっぱりこのふたりを見ていると、杉リパ妄想せずにはいられません!
杉リパに限らずなんですが、ゴールデンカムイのキャラクターや関係性って本当に複雑です。
漫画の登場人物って感情移入しやすいようにわりとわかりやすく表現されることも多いと思うんですけど、ゴールデンカムイにおいては主人公からして情緒の振り幅が尋常じゃない。
全てを明確に説明しながら話が進むわけではないので、読み手はどうしたって余白を埋めたくなり妄想します。(しますよね?)
もちろん正解は出ないです。
でも、たまに野田先生が答えらしきものを見せてくれたりするもんだから、それをさらなる燃料にして益々妄想が暴走しちゃう。
そんなこんなで沼にはまって現在に至るなんですが、この干し柿に関してはちゃんとアンサーがもらえたので本当に良かったです。
第二十五話「樺太へ」
「時は来た」の回。
スチェンカのガヤにロシア語と日本語が混ざってるなんて、全然気付きませんでした!
この回は作画も素晴らしいし、迫力もあって大好きなんですが、こういうこだわりが映像にリアリティと厚みを加えていたのですね。
「難しい通訳はできません」が、杉元たちの言い方ムカつくからしたくないって気持ちを込めて言ったという月島の告白にも驚きました。
難易度高そうだから本当に通訳できないんだと思ってたんだけどやろうと思えばできたの・・・?
「は?何その言い方。ムカつくから訳さない」じゃなくて、「できない」って言ってやらないの、結果は同じなんですけどね、事を荒立てずに淡々と処理するところがすごく月島っぽく感じました。
第二十七話「いご草」
はらりの回。
竹本さんがもっと無色でも良かったかなと言っていた「クソおやじ」。
ずっと淡々と話してたのにここだけちょっと印象強めだったの、私は「こいつを殺せるなら死刑になってもいい」くらいクソおやじだったことを強調するためにあえてそうしたんだと思ってました。
その後何年もかけて翻弄された末、鶴見さんに「でもあのクソおやじも役に立ったじゃない」みたいなこと言われた時は、「いやあいつがどんな形でも役に立つことなんてあるはずない!」と言い返すことなく、「ああそうですか」と完全に無の表情&フラットな言い方になってました。
月島が全てを受け入れた、もしくは考えるのを止めちゃったことがここで伝わってきたので、あの時はまだちょっと感情が見えてて良かったと私は思います。
実はいご草回、原作を最初に読んだ時「え?結局いご草ちゃんは生きてるの?死んでるの?どの話が本当なの?」って全然理解できないまま終わってしまったんです。
読解力がないのが原因なのはわかってますが、鶴見さんの言動が謎過ぎて。
はらりの鶴見さんが嘘を言っているようには見えなかったけど、爆発から自分をかばった月島を見て口元を緩めたり、出演者のおふたりもおっしゃってた「お前誰だよ!」の人が鶴見さんの仕込みっぽかったり。
「いご草」は月島の話なのに竹本さんが「鶴見回だった」とおっしゃったの、もちろん先輩へのリスペクトもあったでしょうが、このお話が鶴見さんという人がよくわからなくなる代表的なエピソードのひとつだったからというのもあると思います。
こうやって「得体の知れない鶴見さん」の印象を読者に植え付けたのも、全て野田先生の計算ってことか・・・。
一番怖いのはやっぱり野田先生ですね。
月島が「いご草」と言ったのに対し、鶴見さんの「えご草」。
それを月島が訂正しなかったところにふたりの関係性が見えるって話がありましたが、確かに野田先生は細部にまでこだわってセリフを書かれていると思います。
そこで思い出されるのが、感想にも書いた31巻(最終巻)での加筆です。
杉元の「彼女が俺と一緒に地獄に落ちてくれるつもりでいるとわかるまで」という心の声。
緻密に計算をして物語を作り、セリフにも様々な仕掛けをしてきた野田先生が、なんの意図もなく杉元に「彼女」と言わせるとは思えない。
やっぱりあれには意味があり、それはアシㇼパさんを子どもではなくひとりの女性と認識した瞬間だったからに違いない!とひとり杉リパスイッチをオンしてしまいました。
あ、もちろんいつもの妄想です。
この回のクレジットが「月島基」になってたのも憎い演出ですが、私はエンドロールが映画みたいに黒背景に文字だけが流れていくのもかっこよくてすごく好きです。
余韻がとにかく素晴らしい。
おふたりのお話を聞いていて、改めて野田先生って神だなと思いました。
声優さんが作品について話す場で、ここまで作者さんへの賛辞が出ることあるかしら。
原作が素晴らしいから声優さんは余計なことをせずに役に没頭できるし、色々とご苦労も多いことと思いますができるだけのことをしたいとがんばれるんですね。
まさに愛です!
「ゴールデンカムイって、すぐ殺すけど、殺した後生かす」っていう竹本さんの言葉も印象的でした。
江渡貝くんとか二瓶鉄造とか、生きてる時も強烈な個性を見せてくれたけど、退場後もこんなに長く作中に影響を与えることになるとは思っていませんでした。
大塚明夫さんの、「次いつ出るんだ」って言ってるってやつ、めちゃくちゃ笑いました。
確かにすぐバレちゃいますけどね、どっかでまた出てほしいですね。
あと、先輩方に対する信頼とリスペクトがとにかくすごい。
きっと先輩方、現場ですっごく楽しそうにお仕事されているんだと思います。
歳を取ると良かれと思って若い人に色々言いたくなっちゃいますが、先輩は楽しんでいる姿を見せることが、若い人への一番のエールになるんですね。
ところでアニメで鶴見さんに殴りかかる月島を見て、玉井伍長が周りに「止めろ止めろ!」と言いますが、2回言うの玉井伍長のクセなのかな。
音声付きのラインスタンプを作る際には、ぜひ玉井伍長の「もういい、撃とう撃とう」も入れてほしいです!
追加の大物声優さんって誰だろう。
上地?
年齢的にはジャックかなぁ。
・・・もしかして石川啄木?
来週の視聴会は肌色多めですね。
また色々なお話が聞けるのが楽しみです。
第2弾 同時視聴会(杉元&菊田さん)
第3弾 同時視聴会(杉元&月島軍曹&鯉登さん)
第4弾 同時視聴会(杉元&アシㇼパさん&シライシ)
加筆された『彼女』に注目したい第31巻の感想。