本日ゴールデンカムイ29巻が発売されましたね。
色々と加筆されていますが、話数的にはいつもと同じ10話。
残りは24話になるので、30巻と31巻はちょっと分厚くなるのかな?
32巻にして6話分加筆するか、スピンオフを収録してくれてもいいのに!
ヤンジャンアプリは連載時のままでいくのかと思ったら単行本と同じ内容に更新されてました。
・・・はずだったのに、いつのまにやら連載時に戻ってた!
現場も混乱している模様です。
そしてなんとびっくり、単行本の帯に「実写映画化決定」の文字があったそうで!!
私はkindleで買ったのでこれはネットニュースで知りました。
映画化については気持ちを落ち着けてから後日書くことにいたします。
29巻を未読の方もいらっしゃるかもしれませんのでたたみますね。
加筆されたところを詳しくご紹介するわけでもなく、比較映像があるわけでもなく、ただ長いだけの感想もどきですが、よろしければお進みください。
- 第281話「函館のひと」
- 第282話「一刻」
- 第283話「神の刺青」
- 第284話「私たちのカムイ」
- 第285話「最終決戦」
- 第286話「タイムリミット」
- 第287話「門倉の馬」
- 第288話「爽やかな男」
- 第289話「五稜郭攻囲戦」
- 第290話「観音像」
第281話「函館のひと」
第281話の表紙だった白石が目次ぺージに移動。
代わりに函館の位置が北海道の地図と共に説明されています。
少し前まで函館って北海道の左下のYの先全部だと思ってたんですけど、全然違いました。
実際はもっと小さく、Yの二股の付け根くらいにあるちょっとしたでっぱり。
函館のこの場所と地形がわかってないと各陣営の戦略とか攻撃の様子が理解できず漫画が楽しめないので、野田先生が私のような地理ヨワ人間がいることを危惧して詳しく説明して下さったに違いない。
白石、追い出してすまん。
連載当時は、久々のヒンナに和みつつ「へー、イカが有名なんだ・・・。」くらいにしか思ってませんでした。
でもこないだ函館に行った時食べたら、本当にイカがおいしかったんですよ!
私サーモン好きなので、ホテルで海鮮丼を自作する時にサーモン中心にのせてたんです。
でもちょこっとのせたイカがめちゃウマで、二日目はイカ中心にのせました。
ちなみにマグロもおいしくて、聞いたら戸井マグロって言って有名なんですってね。
おいしいイカを食べてるマグロだからおいしいらしいです。納得。
そして五稜郭なんですけど、こんなにおしゃれで洗練された造りなのに、戦いに特化した城郭であるというところが興味深い。
しかも今でもこれが存在してるというのが信じられず、どうしてもこの目で見たくて聖地巡礼で函館に行ったんでした。(こちらは後日レポいたしますね。)
ウイルクと鶴見さんがニアミスしてたの、びっくりですよね。
さすがの鶴見さんも、これには気付かなかったのかな。
第282話「一刻」
トニさんの「カンッ」が可視化されていて素敵。
この兵士の頭の上から銃剣を刺す杉元を見ると、本当に戦い慣れてるんだなぁと思います。
相手の兵士も傷跡ありますけど、こういうこと躊躇なくできないと、ここまで生き残ってこれなかったんでしょうね。
せまりくる鶴見中尉の気配にうわーどうするのよ!とドキドキしましたが、土方さんが頼もしくてかっこよくて。
でも同時にこれがなにかのフラグではないかと怖くもありました。
深刻な話し合いが繰り広げられる中、白石の煩悩丸出しの行動が癒しでした。
第283話「神の刺青」
ソフィアのセリフにロシア語が入って、ソフィアの気持ちがより伝わります。
そして久しぶりの尾形登場。
鶴見さんとヴァシリも函館に向かっていて、色んな決着がつく予感です。
それにしても、駅員さんのこの迷惑そうな顔!
鶴見さん、めっちゃ無理言ったんでしょうね。
土方さんに彫られた刺青がここで初めて披露されますが、他の人に比べて文字が多いですね。
刺青人皮は24枚なくても五稜郭にたどり着けるように作られていたようですが、どのパターンで重ねられても土方さんの「神」が正しい位置にくるように、文字が多くなっているのかな?
これどなたか実際に展開図にして確認された方とかいらっしゃるのかしら。
それこそ神。
第284話「私たちのカムイ」
権利書発見の回。
この権利書の意味は、今回の加筆でより詳しく、わかりやすくなってますね。
そしてウイルクからアシㇼパさんに手渡されるように変わったこのコマ割り!
ウイルクの想いが時を超えてちゃんと娘に託されたんだなって伝わるし、権利書の重みが一層増した気がします。
戦わずにアイヌを守る方法の答えを手にしたアシㇼパさん。
それを見つめる杉元のこの笑顔。
・・・これ笑顔ですよね?
これは連載時にはなかったと思うんですが、アシㇼパさんが自分なりの答えを見つけられて良かったな、の表情なのかな。
もう笑顔の意味全然わからん。すっかり笑顔恐怖症です。
権利書の活用方法については人それぞれ考えがあるようですが、ここでソフィアが今を生きるアシㇼパさんの気持ちを優先するよう声をかけてくれたことで、ソフィア自身がいろんな迷いを経験し、選択してきたことがわかりました。
ソフィア・・・強面の見た目になったけど、気高く愛情深い素敵な女性ですね。
キロランケが好きになるわけだ。
感動的なシーン満載の今回ですが、権利書を読む時に新八さんと土方さんが目を細めて見にくそうにしてるのをみて、過去の偉人に急に親近感わいた人、私だけではないはず!
第285話「最終決戦」
連載時、強烈なインパクトを与えた鶴見さんの「おはようございます!」。
今回それは変更になっちゃったけど、その代わり、もすパパの艦の存在感とかそれぞれの位置関係とか映像が流れるみたいに表現されて、こういうのをひとつぶで二度おいしいっていうのかしら。
鶴見さんと新八さんのやりとり、「おやめください」なんて最初はお互い紳士的なのに、ページめくったら急に口汚く「たぬきジジイが」なんて罵りはじめて、駆け引きの百戦錬磨感がすごい。
ふたりとも悪い顔しとるのぅ・・・。
第286話「タイムリミット」
牛山さんの「お嬢」、敬意と愛情が感じられる、すごく好きな呼び方です。
アシㇼパさんの身を心配して「逃がしたら?」っていう牛山さんの提案に、興味なさそうに「いいんじゃないの?」いう白石ですが、アシㇼパさんが「残る」っていったら心配そうな眼を向けてきて。なんなん?そのツンデレは!
でも白石って、アシㇼパさんのこといつでもちゃんと見てますよね。
ここで杉元がアシㇼパさんの意思を尊重する発言ができたのは、白石が殴られながらも杉元にアドバイスしたからだと思いますよ。
第287話「門倉の馬」
弾に当たらなかったというご先祖様のエピソードを門倉で表現してくる野田先生。
門倉への愛が感じられます。
鯉登さんの差し入れた大沼団子、いつ見てもおいしそう。
すごい宣伝効果だったでしょうね。
おいしそうだから気持ちはわかるけど鯉登少尉、上司がまだ食べてるのにつまんじゃダメなんじゃないかな?
こういうところがボンボンなんですよね。
そして月島の目が怖い。あえて視線を外しているのが余計怖い。
「馬」の場所を掘っている背景に木が見えますが、連載当時、その真ん中の幹の横の黒い塊、もしかして尾形?って思ってたんです。
そう思われた方私以外にもいらしたんじゃないかと思うんですけど、この辺もうなにが起きるかドキドキで、金塊が見つかったら撃ってくるんじゃないかとか、あとで掘り返しにきたら尾形が掘り出した後だった、とか、いろんなパターン考えちゃいました。
でも今見たらそんなに尾形感ない。
どうかしてたな・・・。
井戸に降りる時、杉元がアシㇼパさんに「一緒に降りよう」って言うの、いいですよね。ちゃんとアシㇼパさんとの約束守ってて。
白石もそろったところで、とうとう金塊発見!!
ずっと金塊を求めて旅していたので、読んでる自分も、金塊が見つかったら「おお!金塊あったんだ!すごい!!やった!!」ってなるかと思ってたんですけど、意外なことに、「あ、本当にあったんだ」とわりと淡々と受け止めてました。
見つかったら物語が終わってしまうっていうのが大きいのかもしれないんですけど、いつの間にか自分の中で、物語のゴールが金塊探しではなくなっていたみたいです。
こういうのって実はなかったとかもあるからあってもちろん良かったです。
ここのところずっと取り乱しまくってた白石がいざ金塊が見つかったら乾いた笑いしたのもなんだかとってもリアルでした。
でも感動という点では、樺太のゴールデンシャワーの方が勝っていた気がします。
金塊発見自体は思ったよりテンション低めで読みましたが、ゴールデンカムイ最大級の伏線回収には鳥肌立ちました。
金塊を手にした杉元のこの手の形と構図。
これを見た時、嘘でしょってすぐに第一話を確認してしまいました。
そして驚愕。
もう世の中の人全員ゴールデンカムイ読んだ方がいい。
金塊を見つけてアシㇼパさんに笑顔を向ける杉元。
しかしこの微妙な顔のアシㇼパさん・・・。
アシㇼパさんは、権利書を見つけたことで自分の目的はほぼ達成しましたよね。
もともと金塊自体にはあんまり興味なかったし。
それよりなにより、金塊が見つかっちゃったら杉元との相棒契約は終了です。
このアシㇼパさんを見てしまったから、私も金塊発見を諸手をあげて喜べなかったのかも。
連載時はここに「キミのまわりに、金の滴、降る降る。」って書いてありましたね。
単行本にも入ってれば良かったのになぁ。
第288話「爽やかな男」
ここで突然土方さんの過去回が始まって、え、土方さん五稜郭で死ぬの?と思ってしまった心配性です。
前に杉元と土方さんあんまり似てる気がしないと書きましたが、それはこの回で土方さんが「戦と馬と女のことしか得意じゃない」と言ったからかもしれません。
杉元も戦いは得意だけど、土方さんの言う「戦」とはちょっと違う気がするし、馬がそんなに好きな描写ありましたっけ?
ああ、懐かれて殺すの躊躇してたことあったか。
女については、そう言われればたまたま機会がなかっただけで、状況が許せば土方さんみたいになってたかもなぁ。イケメンだし優しいし。
函館山に向かう時に、身バレを防ぐためか土方さんがアイヌの衣装で登場するの、アイヌの人への信頼と感謝が感じられる。
・・・やっぱり土方さんと杉元は似た者同士かも。
金塊を見つけて喜ぶふたりとアシㇼパさんを見て、満足げな表情を浮かべる土方さん。
ここに色んな思いが込められていることに、単行本を読んで気付きました。
第289話「五稜郭攻囲戦」
ちょっと本誌のネタバレになっちゃいますけど、尾形が「アヘン」って言った時、え?アヘン?そういや有坂閣下とそんな話してたな・・・くらいしか思い出せなかったんですけど、ここの加筆でがっつりアヘン、出てきました。
私は「アヘン=体に悪い」という認識なので、それで軍資金を稼ごうとする鶴見さんに独裁性を感じちゃったりしたんですが、ページをめくって、おぅ・・・ってなりました。
ケシの花って昔はポピーって呼んでて(今も?)、庭とかに植えてるの結構よく見かけた気がします。
でも最近は芥子って疑われたら面倒だからかあんまり見ないですね。
すごく発色の良い華やかな花なので、鶴見さん的にはそれが100%の目的ではないかもしれないけど、やっぱり奥さんと娘さんの眠る大地にきれいな花を捧げたいという気持ちがあるんじゃないかなぁ。
第290話「観音像」
第七師団の突撃。
鶴見さんは指揮官として本当に有能ですね。
現状を把握して、ちゃんと指示も出して、自分が率先して動くべき時は先頭に立って。
鯉登さんは初めての戦いに圧倒されちゃってるけど、月島はちゃんと鶴見さんの右腕としての役割を果たしています。
こうやってずっと一緒に戦ってきたのだから、月島の鶴見さんへの気持ちってやっぱり周りの人には理解できないくらい強いものなんでしょうね。
鶴見さんには鶴見さんの正義がある。
争わないで済むもんならそうしたいけど、なかなか難しいものですね。
それぞれの目的が明らかになる29巻でした。
30巻の感想。めちゃくちゃ長いです。
さらに長い31巻(最終巻)の感想。